従業員10名以下の事業所は就業規則を定めて労働基準監督署に届け出る必要はありません。

就業規則は事業所の成長とともにどんどん変化していくことから、あえて無理して作ることもないかもしれません。

それより、業務を効率よく進めるために、会社全体でルールを統一しておくことの方が重要です。

従業員に関するものばかりではなく、会社組織に関するものも含めて、就業規則の存在にかかわらず様々なルールを定めて文書で明確にしておきましょう。

従業員の処遇に関するもの

就業規則に定めるべき事項は、最低限規則として定めるべきでしょう。

就業に関すること:規程

就業日、就業時間、休日・休暇などの契約書に定めることも、別途ルールとして文書化しておきましょう。

契約書が就業規則の代わりになるので、ここで定める文書は、規程レベルではなく、手順レベルで構わないでしょう。

賃金に関すること:規程

就業条件と同様に、賃金に関することもあらかじめ文書に定めておいたほうがいいでしょう。

賃金の締め日や支払日は会社統一のものですから、規則として文書化しておいたほうが、誰にも明確になります。

服務規律に関すること:手順

服務規律に関する規定は、通常は就業規則に定めるものですが、就業規則がない場合は別途簡単なものを定めておいたほうがいいでしょう。

文書のレベルとしては規程ほどの上位文書である必要はなく手順レベルで構わないでしょう。

ただ、最低限社員が守るべきマナーを定めておくことは、後々いろいろなことで役に立つはずです。

自家用車通勤に関すること:手順

通勤費用の支給に関する取り決めは、賃金に関することですので、賃金規程に明記することが多いと思います。

ここでは、自動車で通勤する人について、通勤中に交通事故が発生した時の損害賠償の問題を最小限にするためのルールの話です。

社員が通勤に自家用車を使っていることを許容している場合、通勤時に社員が交通事故を起こし加害者となった場合で、社員が任意保険に加入指定などで、被害者に対する賠償能力が十分にない場合は、会社に損害賠償を請求される可能性があります。

少なくとも、任意本件を十分にかけておかない場合は自家用車による通勤を認めないくらいの規定はがないと、もしもの時に大変なことになります。

業務の取り扱いのルール

業務分掌に関すること:規程

従業員が複数名になったら、役職や組織でどういう業務をしてどういう権限があるのかを定めましょう。

中小企業では、社長が全ての業務を把握し指示するケースが多いと思いますが、従業員が複数名になったら、途端に社長の指示が全員に届かなくなりますので、誰がどういうことに責任を持つのか、なるべく社員に仕事の責任を持たせていくことを明確にすることが重要です。

どんなに優秀な社員でも、きちんと権限を委譲されない限りなかなか指示がないと仕事がしにくいものです。

中には、社長の見ていないところで、社長の指示じゃない限り動かないと主張するものも出てきます。

個別業務の取り扱い:手順

個別業務の取り扱いについても、ルールを文書化しておくといいでしょう。

この場合、業務分掌のルールに基づき各部門長の権限で定めるルールとなりますので、手順レベルの文書になります。

出張旅費規程:規程

出張旅費規程も重要な規程の一つです。

税法上、出張旅費を経費とするためには出張旅費が必要ということで、税理士に社内規程の作成を相談すると、まず最初に必要だと言われる書類です。

これは、所得税法基本通達9-3によるところによります。

9-3 法第9条第1項第4号の規定により非課税とされる金品は、同号に規定する旅行をした者に対して使用者等からその旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等の支出に充てるものとして支給される金品のうち、その旅行の目的、目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の職務内容及び地位等からみて、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内の金品をいうのであるが、当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、次に掲げる事項を勘案するものとする。

その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。

その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

これによれば、役員や社員の役割に応じて適正に旅費を支給すれば、日当や食費などは経費として認められることになります。

逆に、出張旅費に関する規程がない場合は、給与となり所得税として課税される可能性があるということです。

社内的にも、役職によって出張旅費が変わることを事前に明確にしておくことは、社内の不公平感が少なくなり、社員のやる気が高まることでしょう。

文書管理に関すること:規程

ここまで、規則、規程、手順という言葉が出てきました。

規則は取締役が決めるルール、規程は社長や経営陣が決めるレベル、手順は部門長が定めるべきルールとして話をしています。

こういった文書取り扱いのルールも明確にしておくと、社員一人一人がどうやって会社経営に参加するのかがわかりやすくなります。

災害時の対応

災害時に対する対応もきちんと定めておいたほうがいいでしょう。

災害の種類によって会社が取るべき対応や連絡手段などとを定め、状況に応じ社員が自分の判断で対応できるようにしておくと、社長との連絡が取れなくても対策が実施できます。

また、災害時での賃金の取り扱いについても触れておくと、いざという時にトラブルになる可能性が低くなります。

まとめ

会社のルールは、本来は法律上の義務で定めるものではなく、会社の業績をあげるためにあって当然なものです。

ぜひ、会社内の様々な決まりごとを、ぜひルールとして文書化しておきましょう。

会社によって定めるべきルールは異なりますので、よくわからないという方は、ぜひ一度「みんなの総務部」にご相談ください。