台風や地震などによる交通遮断に対する中小企業で備えておくべきこと

先日の台風24号では、関東地方で初めてとも言える、鉄道の計画運休が実施されました。

関東地方で台風の影響が強くなる時間の用法に合わせて、順次JR東日本の路線を運休していくというものです。

計画運休の決定が、運転見合わせ開始の数時間前という、時間に余裕が無い状態でしたが、関東地方ではじめての鉄道の大規模な計画運休が実施されました。

 

事前予告による運休の是非

社会インフラの一つであり、公共性の高いJR東日本の鉄道が、計画的に運休することに関する是非はあると思います。

社会インフラである以上、最近の天気予報、特に台風の進路用法はかなりの確度で的中するとはいえ、起こるであろうことで前もって止めることはいかがなものかという考え方もあるでしょう。

社会インフラであるからこその特権も会社に与えられているわけですから、何が何でも使命を全うすべきだと考え方にも一理あります。

一方で、社会インフラであるからこそ、不測の事態で利用者に迷惑がかかるのであれば、いっそ、迷惑を事前に通知することが求められると考えてもいいでしょう。

関西では4年前から実施

すでに関西では、平成26年10月13日にJR西日本が、台風の影響が予想されるとして計画運休を実施しています。

この時は、他の私鉄は運休しなかったためもあり非難を受けました。

それもあり、翌平成27年7月の台風11合の時は計画運休をしなかったところ、JR京都線が4時間も乗客を乗せたまま不通になるという事案が発生し、以降、計画運休が一般にも認知されるようになりました。

関東人は真面目?

関西でうまく行ったのは、関西人気質もあったのかもしれません(どういう気質かはあえて申しませんが)。

関東の人は真面目な人が多いので、ちょっとやそっとで仕事を休むことを良しとはしない人が多いですから、JR東日本はJR西日本に遅れること4年、今回初めての計画運休に踏み切りました。

初めてJR西日本が計画運休したときと同様、関東の他の私鉄は計画運休を発表せず、その後台風の威力が強まって来たのに合わせて運休が発表されました。

 

今回の計画運休のあれこれ

さて、日曜日だったということもあり、計画運休自体は混乱なく実施されました。

一部新聞の報道では、計画運転開始の目安時間になっても運行されている路線もあったようで、計画運休はあくまでも目安であって、運休開始は状況により実施されていたようです。

翌朝は始発から運行できず大混乱

計画運休が発表された時は、翌朝の運転については特に言及していなかったので、多くの人は始発から平常通り鉄道は運行されると思っていたように思います。

計画運休という不便を受け入れた代わりに、翌朝は全く問題がないと多くの方が理解したと感じました。

鉄道設備点検のため始発から運休

しかし実際には、翌朝は、台風の影響により鉄道施設に影響がないかどうかの確認があり、確認が終了した路線から運転を再開するという手法が取られました。

また、一旦運行が再開された路線で、倒木などで再度運休になるなどのことがあり、混乱に拍車がかかりました。

考えてみると、台風通過が深夜ですから、その後、どんなに頑張って鉄等施設の確認をしても、路線距離が長いJR東日本のことですから、始発から全路線が運転を再開することはありえないのですが、一般の人にそれを理解しろというのもまた酷な話です。

駅が人であふれかえる光景も

結果として、余裕を持って通勤をしようとした人が多かったこともあり、早朝から駅には人が押し寄せ、一部ターミナル駅は大混乱な状態に陥ったのです。

次回は改善するか?

JR東日本にとって、また、利用者にとってもはじめての自体だったので、双方混乱しましたが、次回同様な状況の時は、もう少しマシになるような気がします。

少なくとも、利用者が学習し、翌早朝から駅が大混乱になるようなことはなくなるでしょう。

 

利用者も自衛を

ただ、利用者は今後のために自衛策を講じておく必要があるでしょう。

例えば、運休が計画されている、もしくは予測される場合に、仕事をどうこなしていくかは、事前に考えていたほうが良さそうです。

正確な情報を得るのが意外と難しい

まずは、どうやって電車運休の正確な情報を得るのかがです。

今回は、計画運休の情報が比較的直前だったにもかかわらず、休日だということもあり、影響は最小限ですみました。

テレビやラジオで何回も報道されていたし、24時間営業のコンビニや飲食店も軒並み休業の予定が張り出されたので、よほどのことがない限り事前に情報を得ることができました。

しかし翌朝から運休することは、事前に情報がなかったことから、多くの方が混乱しました。

JR東日本のホームページは当てにならず

私もJR東日本を始め様々な鉄道会社のホームページや、Yahoo!などのサイトの鉄道情報を眺めましたが、朝一で情報がアップされた以降、こまめな情報更新はされていませんでした。

結局の所一番正確だったのはテレビで、JR東日本のホームページですら「運転見合わせ」とされていた路線でも、運転を開始したとの情報が流れていました。

JR東日本のホームページは、一時アクセス集中によりダウンしていたという情報もありました。

個人での情報収集には限界がある

インターネットの時代、スマホの時代と言われながらも、まだまだテレビやラジオの情報の速さと正確さは捨てがたいところがあるようです。

インターネットと言えばツイッターの情報が早くきめ細かいですが、体系的に情報が流れてこないことと、個人が個人の見解で情報を上げているので、どうしてもネガティブな情報のほうが多くなる傾向があり、一般の人が情報源として使うのは難しいと思います。

災害時の情報はアウトソーシングを利用しよう

常に情報を集めるために、一人ひとりがテレビやラジオにつきっきりになったり、ツイッターの情報を分析することには限界がありますから、情報収集をアウトソーシングする必要があると思います。

コンビニや24時間営業の店などは、天候等により商品の売れ行きが変わったりするので、天候などの情報収集は、おそらく専門の部隊がいるのでしょう、今回、コンビニやチェーンの飲食店が比較的早く一時閉店を決めたのも、この、本部の情報部隊が各店舗へ的確な指示を出した結果だと思われます。

ただ、よほどの大企業か気象情報が大きく業務に影響を受ける会社でない限り、専門部隊を自前で持っていることはないでしょう。

一般的な会社は、気象情報や災害情報の収集は、アウトソーシングがベターです。

柔軟に仕事の変更ができる社内体制を構築

仕事は重要ですが、無理して出勤しても効率が上がりません。

仕事を大事にするのであれば、どうやったらベストなコンディションで仕事ができるかを考えるのも重要です。

状況に応じて柔軟にアポイントを変更できる社内風土を作る

無理に出社しなければいけない人の多くが、会議があるからとか商談があるから、という人だと思います。

朝一や午前中のアポイントだと、なかなか予定を変更しにくいところがあるのでしょう。

今回は、台風の通過が日曜日だったこともあり、事前に予定変更ができにくかったと思います。

特に社外の人とアポイントを変更することは、休日にはなかなか難しいと思います。

しかし、社員の身の安全や仕事の能率を考えると、無理に出社しない企業風土を作ることも重要です。

それで客を失うか、それともその真摯な仕事への取組姿勢が逆に高い評価を受けるか、どちらになるかはギャンブルではありますが、今は、無理してまでアポイントを強行する世の中でなくなってきています。

天気予報でスケジュール変更

最近は、天気予報がかなり正確で、台風などは、よほどのことがない数日前からおおよその進路がほぼ正確にわかるようになりました。

この進路予報を見ながら、数日前であれば顧客とアポイントを調整することは可能でしょう。

と入っても、社員一人で台風の予想によりアポイントを変更するのはかなり勇気のいることですから、会社から、台風が近づいているから、顧客の安全も考えてアポイントを変更する旨を指示してもいいでしょう。

社内会議の予定があるのであれば、上位のものが率先してスケジュールを変更すべきです。

気象情報は、あらゆる業種に重要な情報になってきたと言えます。

 

まとめ

今は気象情報は、あらゆる人の仕事のスケジュールを左右するようになってきました。

ただ、気象情報や鉄道の運行情報は、重要な情報ではありますが、一人ひとりが情報を収集し判断することは、とても困難な情報でもあります。

ここはぜひ、災害情報や鉄道情報の専門家にアウトソーシングを検討されてはいかがでしょうか。

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